めまいってどんな病気?
めまいとは、目がグルグル回る、頭がふわふわする、頭が重い、体がふらつく…、などたくさんの症状をおこす病気です。
めまいの多くは、鼓膜の奥にある「内耳」という部分が異常を起こすことでおこります。
内耳には三半規管や前庭(耳石器)、蝸牛という器官が入っています。三半規管は3つのリングが少しずれて重なった形をしており、そのリングの中には「リンパ」という液体が入っています。
また前庭にある耳石器には耳石という「砂」がのっている構造をしています。その「リンパ」や「耳石」がサラサラと動くことで身体のバランスを保っています。
あなたが起き上がったり、右を向いたり、しゃがんだりするたび、リンパや耳石がサラサラと動き、「あ、いま自分は右を向いたな」と感じる仕組みです。
そのため、この内耳に異常が起こると平衡感覚がおかしくなり、めまいやふらつきを感じるのです。また、蝸牛の細胞は音を感知して脳に伝える働きがあります。
そのため音の聞こえが悪くなったり、耳が詰まったりしてもめまいを起こすことがあります。
めまいのタイプ
- ぐるぐる目が回るような 「回転するめまい」
- 揺れる感じの 「ふわふわ、フラフラするめまい」
- 立ちくらみのような 「くらっとするめまい」
と大まかに分けることができます。
- 回転するめまい
- 突然に自分が回転しているようなめまいが起こります。
回転するめまいの多くは、耳の異常によっておこることが多いといわれています。そのため、耳が聞こえにくくなる(難聴)や耳鳴りが同時におこることもあります。
考えられる病気としては、
・良性発作性頭位めまい症
・メニエール病
・突発性難聴
・椎骨脳底動脈循環不全
・前庭神経炎
などがあります。
- ふわふわ・フラフラするめまい
- 突然か、徐々にフラフラする症状があらわれ、揺れる感じが続きます。頭痛やしびれ、マヒなどの神経に関係する症状が一緒にでることもあります。このめまいの多くは、脳の異常が原因で起こるといわれています。首から脳へとつながる動脈の血液が不足すると、脳に十分な血液が運ばれず、めまいが起こります。これらは脳出血や脳梗塞の前触れとなることもあるので注意が必要です。
考えられる病気としては
・椎骨脳底動脈循環不全
・脳梗塞・脳出血とその後遺症
・脳腫瘍、脳の変性疾患
などがあります。
- 立ちくらみのような、くらっとするめまい
- 急に立ち上がるとクラッとしたり、目の前が暗くなったりするめまいは、血圧に関係するとおもわれます。
脳に送られる血液の量が少なくなること、めまいが起こります。考えられる病気としては
・低血圧
・不整脈
・貧血
・自律神経障害(起立性調節障害)
・血圧の薬の副作用
などがあります。
また、ストレス、睡眠不足、生活のリズムの乱れ、過労などでも起こります。
めまいを起こす代表的な病気と対処法
メニエール病
ぐるぐる回転するめまい、それと一緒に難聴・耳鳴りが起こる病気です。それを何回も繰り返しますことが特徴です。診察するときに、“繰り返すこと”と“難聴などの耳の症状が一緒に起こる”という二つの要素が重要になります。その二つがあることで、診断が確実になります。メニエール病のめまいは、大抵は数時間続きます。短くても10分以上、長くても1日続くことはありません。
その発作は繰り返しおこり、その頻度は、週一回から、年に数回とさまざまです。めまいの発作を繰り返すうちにだんだんと耳の聞こえが悪くなってしまうことも多いです。
この病気の原因は、内リンパ水腫という状態が考えられています。内耳は“内リンパ”という液体で満たされています。その液体が増えすぎると内耳がむくみ、めまいが起こるのです。この“内リンパ”が増えすぎた状態を内リンパ水腫と呼びます。この状態ではめまいのほか、難聴や耳鳴り、耳が詰まったような症状が起こります。
また、メニエール病が発症するきっかけとして、精神的ストレス、肉体的過労、睡眠不足などが知られています。
良性発作性頭位めまい症
耳の異常が原因で起こるめまいの中で最も多い病気といわれています。頭を動かしたり、頭がある特定の位置に移動したりするとぐるぐると回るようなめまいが起こります。具体的には寝返りをうったときや、朝起き上がるときにめまいが起こります。頭を動かした瞬間に始まり、わりとすぐになくなります。持続時間は数秒から数十秒くらいです。吐き気や嘔吐を伴うことがあります。めまいを繰り返すと、徐々にめまいの症状は軽くなり、めまいは起こらなくなってきます。
この病気の原因は内耳の「耳石」です。耳石の一部が内耳の別の場所に入り込んでしまうと、耳石の動きが悪くなり、めまいが起こるといわれています。
前庭神経炎
突然の激しいめまい感に襲われる病気で、ぐるぐる回転するめまいが起こります。めまいは強烈で、嘔吐を伴うこともあるため、救急車で搬送されることもあります。めまい症状は激しいですが、数日で軽くなり、2週間から4週間で回復します。
この病気が起こる前にかぜ症状があり、そのあとにめまいがあるため、ウイルス感染による病気と考えられています。ウイルスによってめまいを司る前庭神経が腫れることが原因として考えられているのです。しかし、そのほか血流障害などいくつかの異なる原因があるとも言われています。
めまいがしてもどの病院にかかればいいかわからなくて、困った経験はありませんか?
また病院で診察をうけたときには、症状がなくなってしまっていることも多いと思います。
めまいの症状に対応する診療科は内科、神経内科、脳神経外科、耳鼻咽喉科などのさまざまな分野にまたがっています。
当院には総合内科の専門医が常勤しておりますので、めまいがするときは当院へご相談ください!